子どもが「勉強好き」になるために、家庭でできる6つの対策

子どもが「勉強嫌い」になるタイミングは、いつが多いのでしょうか。

2016年の東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所による共同プロジェクトの研究結果では、勉強が嫌いな生徒の割合は以下のようになりました。

  • 小学6年生:31.3%
  • 中学1年生:45.5%
  • 中学2年生:57.3%

勉強が嫌いになる生徒は、中学生になると増えることが読み取れます。

中学生になると、勉強が難しくなり、授業スピードも早まります。
中学時代は「勉強好き」と「勉強嫌い」の分かれ道になる時期といえるでしょう。
約6割が勉強嫌いですので、子どもの勉強嫌いは多くの家庭に当てはまります。

この「勉強嫌い」の意識をなくすことが、成績アップ・志望校合格には重要です。
この記事では勉強のやる気が出る方法を紹介していきます。
ぜひ家庭でも取り入れてみてください。

今すぐできる4つの「やる気アップ」対策(環境面)

ここでは「今日からすぐに実行できる対策」を紹介します。
完全な勉強嫌いになる前に、対策を講じましょう。

「わからない授業が面白くない」のは当然です。
勉強へのやる気がなくなると、悪循環が生まれます。

家庭で一緒に子どものやる気アップに取り組みましょう。

勉強部屋を見直す

まず簡単にできることは、勉強部屋を見直すことです。
スマホや漫画、テレビなど集中力を欠くものを近くに置かないようにしましょう。

休憩を取る

集中力の持続時間は、一般的に1〜2時間程度です。

集中力には個人差があり、中学生だと30分程度で切れてしまうこともあります。
集中していなければ、いくら勉強しても成績アップは期待できません。
適度に休憩を挟んで、集中できる範囲で勉強しましょう。

一度休むと、なかなか勉強に戻れないこともあります。
タイマーをセットするなどして、メリハリをつけましょう。

自分に合った環境を作る

人にはさまざまなタイプがあります。

  • 静かな場所(勉強部屋・図書館)
  • 音のある場所(電車・ラジオや音楽が流れている部屋・カフェ)

では、どちらが集中できるのでしょうか。

一般的に「静かな場所」が勉強に適していると言われていますが、一概にそうとはいえません。
それぞれに適した環境で勉強をしましょう。

静かな場所よりも、騒がしい場所の方が学習効率が上がる人もいます。
辻村壮平氏と上野 佳奈子氏の研究「教室内音環境が学習効率に及ぼす影響」では、騒音のない方が集中できるという結果が出ました。
エアコンなどの音もしない方が、集中できる環境になるそうです。

一方でヨーラン・ショダールンド氏(ノルウェー)の研究によると、集中できる環境は人によって異なるそうです。

*参考 教室内音環境が学習効率に及ぼす影響

*参考 The effects of background white noise on memory performance in inattentive school children

運動をする

勉強をする前に運動をすると、集中力が上がると言われています。
運動によって、脳が活性化されるのです。

スウェーデン・ヨンショーピング大学の研究チームによると、わずか2分間の運動でも記憶力や集中力・問題解決能力の向上が期待できるそうです。
また運動をすると、ドーパミンが体内で生成されます。
ドーパミンはやる気を起こさせてくれるほか、幸福感も与えてくれます。

親ができる2つのやる気アップ対策(精神面)

「学ぶことは楽しいことだ」と感じることが、やる気アップには大切です。
以下の2つに気を付けて、子どもと接するようにしましょう。

子どもを怒りすぎない

勉強は楽しいことを伝える

子どもを怒りすぎない

「子どもに勉強をしてほしいのに、なかなか勉強を始めてくれない。」と悩んだ経験のある人も多いのではないでしょうか。
そのようなとき、つい子どもを怒りたくなってしまうかもしれません。
しかし怒ることは逆効果で、子どもが勉強嫌いになってしまう恐れがあります。

幼少期の子どもは、褒められることで成長してきました。

  • パズルができたとき
  • 数字が数えられたとき
  • 字が読めたとき

などの達成感は、子どもはしっかりと覚えています。

怒られることが繰り返されると、子どもはさらに勉強をやらなくなります。
子どもの勉強意欲を高めるには、怒らないことが大切なのです。

「勉強は楽しい」ことを伝える

子どもに「勉強は楽しい」と教えることも、やる気アップには大切なことです。

小さい頃は、ほとんどの子どもは勉強が大好きでした。
「なんで海は青いの?」
「なんで恐竜はいなくなったの?」
など、子どもは勉強することに夢中なのです。
この勉強好きの気持ちを、国数社理英でも活かしてあげましょう。

そのために、親も意識を変える必要があります。
まずは言葉遣いを変えることを意識してみてください。

具体的には「勉強とポジティブな言葉」を組み合わせます。
「早く勉強を終わらせなさい。」「みんな宿題やってるんでしょ。」
という言葉を
「今日は何ができるようになったか教えてね。」
などの言葉に変えるだけでも、効果は期待できます。

新しいことの学習は楽しいことだと、子どもに伝えてください。

環境と気持ちの変化でやる気アップ

これまで紹介した「環境面」「精神面」でやる気アップに取り組んで、子どもの勉強嫌いをなくしましょう。
子どもはふとしたきっかけで大きく変わります。

勉強ができたことへの達成感が加わると、子どもはますます勉強が楽しくなるはずです。

Follow me!